石垣島に着いてすぐ、旧空港側から友人宅の近くまでタクシーに乗った。窓の外には市街地の道と強い日差しが流れていて、荷物を抱えたまま歩く気にはとてもなれなかった。
車なら短い距離でも、生活者の足で見ると話が変わる。私はそのとき、「これは車がないと厳しいな」とかなり早めに思った。ただ、その印象だけで決めるには、まだ見えていない条件が多かった。
この記事でわかること
- 石垣島で車が必要かを、住む場所と通勤距離から見る考え方
- 徒歩・自転車・バス・レンタカーで足りる場面の分け方
- 最初から買うか、持たないか、いったん保留するかの線引き

最初は保留できる条件で見る
石垣島で車は、あるに越したことはない。ただし、最初から無理して買うかどうかは別問題なので、暮らしの場所と毎月のお金を分けて見たほうが現実に近い。
石垣島で車が必要かは、最初の印象だけで決めない
到着直後の私は、かなり単純に「石垣島は車が必要だ」と思った。タクシーで移動して、歩ける距離ではないと感じたからだ。
ただ、実際に暮らしてみると、その印象だけで決めるのは少し早かった。住む場所によって、車なし生活のきつさはかなり変わる。
私が車なしで暮らしていた時期は、平日の移動は主に徒歩と自転車だった。職場までは自転車で片道20〜30分ほど。雨風と暑さはしんどかったが、通勤そのものにはすぐ慣れた。
もちろん、これは「車なしでも余裕だった」という話ではない。汗もかくし、風が強い日は普通にだるい。雨の日に買い物袋を持って帰ると、まあまあくたびれる。
それでも、平日の生活が回ったのは、徒歩圏にスーパー、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンターがあったからだ。食品、日用品、お酒くらいなら、徒歩と自転車で何とかできた。
だから、石垣島で車が必要かどうかは、「島だから必要」とひとまとめにしないほうがいい。最初に見るのは、住む場所から職場、買い物先、病院や銀行までの距離だ。
車なしで暮らせるかは、職場と買い物先の近さで変わる
車なしで暮らせる条件は、かなり現実的だ。職場が遠すぎないこと。徒歩圏に買い物先があること。自転車で動ける範囲に、生活でよく使う場所がまとまっていること。
ここがそろっていれば、単身期の平日は車なしでも回る場合がある。私の場合も、職場と買い物先が近かったので、普段の暮らしは大きく崩れなかった。
逆に、職場が遠い、買い物先が少ない、坂や距離で自転車がきつい、夜に移動することが多い。この条件が重なると、車なし生活は急に苦しくなる。
バスやレンタカーで代用できる場面はあるが、日常の移動をそれだけで組むなら、時刻や使える場面を見ておく必要がある。タクシーは、私の場合は緊急時や飲んだあとの深夜に使うことが多く、毎日の移動手段としては見ていなかった。
私は、車なしを「不便だけど回る状態」として見ていた。便利ではない。だが、毎月の支払いを増やさず、生活が崩れないなら、最初は保留でもいいと考えていた。
このとき大事なのは、気合いで判断しないことだ。暑さや雨風は、気合いで消えない。最初の数日は何とかなるが、仕事で疲れた日にも同じ移動を続けられるかは別で見たほうがいい。
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車が欲しくなるのは、大きな買い物と遠出が重なるとき
車なしで困ったのは、日々の小さな買い物よりも、大きな買い物や遠出だった。家具や大きな荷物が出てくると、自転車ではどうにもならない。
そのときは、同僚や知人の車に頼ることがあった。ありがたい話だが、これはずっと前提にするものではない。人の車を借りる生活は、便利というより、借りを作りながら回している感じに近い。
観光や島の遠い場所へ行くときも、車は欲しくなる。バスやレンタカーで代用できる場面はあるが、行きたい時間に動ける自由さは、やはり自家用車のほうが強い。
ただし、ここでも「欲しい」と「必要」は分けたい。月に数回の遠出なら、バスやレンタカーを使ったほうが楽な場合もある。毎日の移動で必要なら、話は変わる。
車を持つかどうかは、たまの不便をなくすためなのか、毎日の生活を守るためなのかで重さが違う。私はそこを分けて考えておけば、もう少し落ち着いて判断できたと思う。
車に回せるお金を、生活費とは別枠で見る
タイトルに維持費と入れているが、ここでは車検や保険、税金、修理代を細かく比較する話はしない。金額は時期や車、買い方で変わるからだ。
見るべきなのは、毎月の生活費の中で、車に回せるお金があるかどうかだ。家賃、食費、通信費、光熱費、交際費を払ったあとに、車の支払いと維持費を乗せても崩れないかを見る。
私は費用面が大きく、すぐには車を買わなかった。買うなら安く買いたかったので、知人経由で車を処分する人がいないか探してもらっていた。
この判断は、派手ではないが現実的だったと思う。車はあると楽になる。けれど、車を持ったせいで生活費が詰まるなら、別の場所が苦しくなる。
買う前提なら、島内で買うのか、沖縄本島や本土で買って送るのかも確認点になる。輸送費、整備、さび止め処理、古い車の状態も見ておきたい。ここは購入ガイドではないが、買う場所だけで終わらせないほうがいい。
石垣島で車を持つなら、便利さだけではなく、毎月の支払いに耐えられるかを見る。車があれば移動は楽になるが、家計がきつくなるなら、別の不便を抱えることになる。
移住前に、持つ・持たない・保留の線を仮で引く
単身期なら、車なしで回せる条件はある。職場が近く、買い物先が徒歩圏にあり、大きな荷物はたまに誰かに頼むか、別の手段を使う。そういう暮らし方はできる。
ただ、家族が増えると話はかなり変わる。0歳、1歳の予防接種や通院、子連れの買い物が入ると、車の必要性は一気に上がる。
子どもを抱えて、荷物を持って、雨風や暑さの中で移動する。これは、単身の自転車通勤とは別の負荷だ。私はここで、車は便利品というより、生活を崩さない道具に近くなると感じた。
だから、線引きは3つに分けると考えやすい。
- 持たない:職場と買い物先が近く、単身で、毎月の固定費を増やしたくない
- 保留する:普段は徒歩や自転車で回るが、大きな買い物や遠出だけ別手段を使う
- 持つ:通勤、通院、子連れ移動、大きな買い物が日常的に重なる
この線引きにすると、石垣島で車が必要かどうかを、感覚だけで決めにくくなる。到着直後の「これは無理だ」という印象も大事だが、暮らし始めてから見える条件もある。
移住前にやるなら、スマホのメモに「職場までの距離」「徒歩圏の買い物先」「車に回せる毎月のお金」を1行ずつ書く。完了条件は、持つ・持たない・保留のどれかに仮で丸をつけることだ。
迷ったら、そのメモに家族構成と通院の有無を足して見直す。車の必要性は、島の広さだけでなく、自分の生活がどこで止まりやすいかで変わる。
車は、あると楽になる。ただ、最初から持つかどうかは、住む場所、職場、徒歩圏、毎月のお金、家族構成まで並べてから決めても遅くない。
※本記事は一般的な情報と筆者の体験に基づく。結果や判断の正しさを保証するものではない。
(筆者注:無理のない範囲で、暮らしが回る前提を優先)
―― ネギマ|暮らしをことばに残す人
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