引越しの朝、港の潮の匂いが段ボールの紙に移り、風が少し硬いと船便の都合が頭に残る。石垣島の引越し費用は、見積書の最下段の数字より、船便が入るだけで段取りが一段増えるところが効いてくる。この記事は石垣島→本土(Uターン)の実例として、家族3人の総額の幅と確認の線引きを置く。
総額の幅を先に掴む
私は最安を追わず、引越し代だけで判断せず、車輸送や移動費、買い直しまで合算した「総額の幅」で考えた。生活の段取りが回る金額の幅を先に置くと、迷いが減った。
この記事でわかること:
- 引越し費用を項目別に合算し、家族3人の総額レンジを実例で把握できる
- 見積で確認すべき論点を押さえ、離島特有の段取りで詰まる点を先に潰せる
- 比較の軸(何を揃えて比べるか)を決め、迷いを減らして依頼判断ができる
用途:見積比較で迷う前に、質問項目と総額の線引きを先に作るため。

石垣島の引越し費用は「見積の範囲が港までか/家までか」を先に決める
我が家は2023年に、家族3人で石垣島から本土(東北方面)へ動いた。荷物量は業者いわく、ほぼ単身レベルで、コンテナ便と軽自動車の港→港輸送を組み合わせた。船が入る時点で、費用も手間も工程が増える。
石垣島が絡む引越しは、海をまたぐ区間が船便になるので、たいていは「コンテナ便」で話が進む。うちは今回もコンテナ便で、妻が単身で東京→石垣に動いたときも、荷物が少なくても同じくコンテナ便だった。
そして今回、見積の依頼先は一社だけだった。島内の引越しで以前に引越屋おくちゃんにお願いしたときの印象がかなり良く、頼むならそこだと最初から決めていた。特定業者の推奨ではなく、私の場合は「誰に頼むか」を早めに固定したほうが、確認に集中できた。
領収書がすべて揃っているわけではないので、数字は当時のメモをもとにした概算だ。それでも「どこまでを引越し費用と呼ぶか」を一度決めておくと、整理がブレにくい。
- 引越し(コンテナ便):約35万円
- 車輸送(軽・港→港):約10万円(石垣島の港で引き渡し/到着は有明)
- 航空券・移動費:約3万円
- 家具・家電の買い直し:約10万円
私はこの時点で、「引越し代」ではなく、「移動と買い直しまで含めた総額」で考える、と決めた。
引越し関連だけを合算すると、ざっくり約58万円だった。ただ、引越し代は単体で終わらない。下見の移動や住居の初期費用まで「移住初期費用」として合算すると、当時の整理では約95万円だ。体感としては、細かい雑費や立て替えも拾うと100万円を超えた感覚が残っている。
この「移住初期費用」には、下見の移動と住居の初期費用(敷金・礼金などの一部)が乗っている。
ここで私がやったのは、正確な数字を当てにいくことではなく、最初に総額の幅を置くことだった。目安として80〜120万円くらいの幅を先に想定し、その中で「段取りが回るほう」に寄せていく。順番を逆にしないだけで、迷いが減った。
実例の数字を当てにいくより、先に「相場の幅」を作って同条件で比べるほうが楽だった。
その順番は「相場の幅を読む」に整理している。
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引越し相場は「総額の相場の幅」で掴む|見積もり比較がラクになる順番
引越し見積もり相場は「総額の相場の幅」で掴む。条件固定→同条件比較で迷いを減らし、断り文も先に用意する。疲れない順番。
見積もりの額より、「含まれない範囲」が怖い
疲れたのは金額の大小というより、工程が読めない時間だった。集荷して、船に乗って、届いて、そこからまた陸で動く。どこかで日程がずれると、手元にない物が増えていく。子どもがいると、その「ない」は、そのまま疲労になる。
一度、梱包が止まったときに確認したのは、追加の梱包材が「無料か有料か」と、手配の担当が「こちらか業者か」だった。境界が見えると、やることが一つに絞れて静かになった。
だから私は、依頼前に「含まれていないもの」を先に確認するようになった。ここが曖昧だと、追加料金だけでなく、連絡の往復や手配のやり直しが増えて、生活が詰まりやすい。
ここで言うのは「見積の範囲が港まで」のことだ(港から先の配達が別扱いになる場合がある)。
私がメモに残したのは、次のような確認用の質問だ。
- この金額は港までか、自宅までか(港までなら、どの港で止まるのか)
- 到着後の配達は誰の手配で、追加料金が出る条件は何か(時間指定や地域条件)
- 養生・梱包資材はどこまで含むか(段ボール追加や当日手配の扱い)
- 破損補償の対象外になる物は何か(家電・ガラス・高価品の扱い)
- 日程変更・キャンセルの条件はどうなっているか
- 車は港→港前提か(受け渡し場所・立ち会いの要否・当日の動線)
私はこの質問を、そのまま依頼前の確認メモとして残した。全部を完璧に揃えるためではなく、確認が済めば「自分がどこまで動くか」を決めやすくなる。ここが決まると、引越しは静かになった。

無理しないための小さな工夫
- 依頼先を早めに決めた分、見積の範囲が港までか家までかだけは最初に確認した。
- 車輸送は窓口を一本化しつつ、受け渡しが港で完結する点だけは先に受け入れた。
- 到着が数日ずれても回るように、すぐ必要な物は段ボールに混ぜず手元に寄せた。
- 家電は「持つ/買う」を悩み続けず、持たない物を先に決めて判断回数を減らした。
- 領収書が揃わない前提で、金額より「何が含まれていたか」を一行で残した。
追加料金をゼロにするより、連絡の往復を減らす。私は、この減り方のほうが生活者として効いた。
振り返りと、これからの暮らしの線引き
石垣島から本土への引越し費用は、「距離」より、船便が入るだけで手間が増えやすいと感じた。だから私は、最初に総額の幅を置き、含まれない範囲を質問で拾う——この順番を線引きにしている。
私の結論は二つだけで十分だった。
- 最安は追わず、生活の段取りが回る金額の幅を先に決める。
- 依頼先を決めた後でも、見積の範囲が港までか家までかだけは必ず確認する。
島を出る日も、暮らしは静かに続いていく。
※料金や契約条件は変更されることがあります。最新の内容は、石垣市や関係機関・事業者の公式案内で必ず確認してください。
※本記事は個人の体験に基づく一般的な情報であり、特定の行動や結果を保証するものではありません。医療・法務・金融など専門的な判断が必要な事項については、必ず公的機関や専門家の情報・助言を確認してください。
(筆者注:移住者の視点で執筆/最終更新:2026-01-23)
―― 我門(がもん)|暮らしをことばに残す人
迷いを減らす補助線として、近い論点の二本をそっと添えておきます。
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