石垣島へ移住して、最初の仕事を約1週間で辞めた。
辞めたのは、移住前から話が進んでいた知人紹介の居酒屋だった。辞めた時点で次の仕事は決まっていない。それでも、石垣島を離れようとは思わなかった。
当時の私は「仕事と移住は別だ」なんて、きれいに整理していたわけではない。ただ実際には、最初の職場を辞めても島には残った。
そのあとの約2週間も、別の仕事を探し回るでもなく、離島へ行ったり海へ行ったりしている。何かを立て直していたわけでもない。今振り返っても、普通にノープランだった。

石垣島へ行く前から、最初の仕事はほぼ決まっていた
2000年代半ばごろ、私は東北から一人で石垣島へ移った。
移住前から、知人の紹介で沖縄料理を扱う居酒屋で働く話が進んでいた。最終面談はまだ残っていたが、石垣島へ行ってから仕事をゼロから探す、という状態ではなかった。
働き始めてからの担当は、調理補助と皿洗いだった。
オーナーからは、沖縄料理を覚えれば、本土へ戻ったあとに自分で店をやるような道もある、という趣旨の話をされた記憶がある。かなり前のことなので、正確な言葉までは覚えていない。
そんな感じで、石垣島での最初の仕事が始まった。
約1週間で、ここでは続けられそうにないと思った
辞める決め手になった、一つの大きな出来事があったわけではない。
働いているうちに、オーナーの指示や職場の空気が、自分には合わないと感じるようになった。
一部のホールスタッフに挨拶をしても返されないこともあった。仕事に必要なやり取りは最低限あったが、当時の私は、本土から来た人に少し距離を置くような空気を感じていた。
ただ、挨拶を返されなかったのが、私が本土出身だったからなのか、何が原因なのかは分からない。石垣島や地元の人全体の話でもない。あくまで、その職場で私がそう感じたという話だ。
何か一発で「もう無理だ」となったわけではない。1週間しか働いていないのに、合わないという感覚だけは、わりと早く育った。
「ここでずっと働いていける気がしない」と思い、続けられないなら早いうちに辞めようと考えた。そして約1週間で、自分から辞める意思を伝えた。
伝えたのは、続けるのは難しそうなので辞めたい、という趣旨だったと思う。オーナーは強く引き止めず、比較的あっさり了承した。
紹介してくれた人も、記憶では私を責めずに受け止めてくれた。ただ、こちらには申し訳なさと気まずさが残った。
紹介してもらって石垣島まで来て、約1週間で辞める。気まずくないわけがない。
仕事のない約2週間も、石垣島を離れるとは考えなかった
居酒屋を辞めた時点で、次の仕事は決まっていなかった。
それでも、「仕事を辞めたから石垣島から帰ろう」とは考えていなかった。
当時は多少の手持ち資金があり、仕事はいろいろあるとも聞いていた。実際に来てみた石垣島は、私が想像していたより街に見えたこともあって、「どうにかなるだろう」という感覚があった。
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思ったより都会に見えた石垣島|「何もない島」だと思って移住した
「何もない島」を想像して石垣島へ移住。着陸後、まだ飛行機の中にいるときに大手スーパーの看板が見え、その後に見た市街地とのギャップに「何でもあるじゃん」と驚いた到着当日の記録。
辞めたあと、ホテルで働いていた友人に、求人があるか確認してもらった。募集していることが分かり、私は接客より裏方を希望して、客室清掃で働くことになった。
勤務が始まるまで、約2週間空いた。
その間、竹富島や波照間島へ出かけたり、友人や知人と海へ行ったりして過ごした。他の仕事を探したり、部屋を探したりしていたわけではない。
ホテルが駄目だった場合の具体的な代替案もなかった。
計画的だったとは、さすがに言いにくい。ただ、帰るつもりもなかった。
友人につないでもらったホテルでは、「とりあえず」が長く続いた
友人経由でつながったホテルでは、客室清掃として働き始めた。
そこには本土から来たスタッフも多く、少なくとも私が働いた範囲では、前の職場で感じたようなギクシャク感はなかった。良くも悪くもフレンドリーで、私には「居心地は悪くない」と感じられた。
最初から「ここで長く働こう」と決めていたわけではない。まして、正社員になる計画などなかった。
寮もあり、居心地も悪くなかったので、「とりあえずここで働こう」くらいの感覚だった。
その「とりあえず」が、結果として長く続いた。かなり後になって会社から声をかけられ、正社員にもなった。
ただ、それは最初の居酒屋を約1週間で辞めた判断が「正しかった」と証明する話ではない。
あのまま居酒屋で沖縄料理を覚えていたら、別の道があったかもしれないとも思う。約1週間で辞めたこと自体には後悔していない。
当時の私は、仕事と移住を別々の判断として言葉にしていたわけではなかった。
約1週間で仕事を辞めて、次の仕事も決まっていない。帰るつもりもない。
ずいぶんノープランだが、実際そうだった。
