スーパーのレシートを台所に置いて、冷蔵庫の中身を見ながら、今月あといくら使えるかを少し考える。石垣島で暮らしていると、海の近さより先に、食費、電気代、ガソリン代、家賃のほうが毎月きちんと顔を出してくる。
移住前は「石垣島の生活費は高いのか、安いのか」と知りたくなる。私もそうだった。ただ、暮らし始めると、その聞き方だけでは少し足りないと感じるようになった。
生活費は、誰かの月額目安だけでは決めにくい。求人で見える収入、手取りの見込み、家賃、上振れする費用を並べないと、自分の暮らしに使える数字にならない。
この記事でわかること
- 石垣島の生活費を、高い・安いだけで判断しない理由がわかる
- 家賃などの固定費と、食費・電気代などの上振れ費用を分けて見られる
- 求人と家賃を並べ、通常月・上振れ月・残るお金を書き出せる

月額目安より自分の条件で見る
石垣島の生活費は、体験談の金額をそのまま借りるより、自分が見ている求人と家賃条件で確認したほうが現実に近い。
石垣島の生活費は「高い・安い」だけでは判断しにくい
石垣島の生活費を考えるとき、まず気になるのは物価の話だと思う。食材が高いのか、家賃が高いのか、ガソリン代はどうなのか。気になるのは自然だ。
実際、私は石垣島で暮らしていて、ガソリン代は高いと感じた。島外から運ばれてくる野菜なども、ものによっては割高に感じることがあった。逆に、地元のものや買い方によっては、そこまで重く感じない場面もある。
だから「石垣島は高い」「石垣島は安い」と一言で決めると、かえって見えにくくなる。生活費は、物価だけではなく、収入と家賃と毎月残るお金の組み合わせで見るものだ。
ここを飛ばしてしまうと、「暮らせるらしい」「意外と安いらしい」という話に引っぱられる。らしい、だけでは月末に残るお金までは見えない。
生活費の試算では、家賃を先に置く
生活費を見るとき、私は最初に家賃を置く。理由は単純で、家賃は毎月ほぼ確実に出ていくからだ。食費や交際費のように、その月の動きで多少調整しやすいものとは重さが違う。
ただし、これは「賃貸は家賃だけで決める」という意味ではない。部屋選びでは、風通し、湿度、共用部、契約条件も見る。家賃は生活費を試算するための入口で、住み続けられる部屋かどうかは別に確認する。
たとえば家賃が予算より毎月1万円高いとする。その1万円は、今月だけではなく、来月も再来月も出ていく。外食を減らすのか、酒代を減らすのか、残業で埋めるのか。どこかで毎月つじつまを合わせることになる。
この「毎月」というところが、地味に効く。最初は何とかなると思っても、固定費が少し重いだけで、暮らし全体に小さな圧がかかる。家賃が高いこと自体が悪いのではない。自分の手取り見込みに対して、重すぎないかを見る必要がある。
家賃以外にも、駐車場代、初期費用、更新や修理の条件、湿気対策にかかる費用は関わってくる。生活費を見る場面では、まず家賃を固定費の中心として置き、毎月払っても残るお金があるかを確認しておきたい。
ここで一度、生活費の計算上は家賃を別枠で見るとよい。部屋の広さや立地は大事だが、その前に「この家賃を毎月払っても暮らしが回るか」を見る。賃貸の細かい内見判断は、生活費とは分けて考えたほうが整理しやすい。
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食費・電気代・ガソリン代は上振れしやすい
固定費の次に見たいのが、月によって増えやすい費用だ。食費、電気代、車を使う場合のガソリン代。ここは、通常月だけで見ると少し甘くなる。
食費は、買うものによって差が出る。島外から運ばれてくるもの、外食、飲み物、急な買い足しが増えると、思っていたより上に振れる。節約術の話にするつもりはないが、食費は「だいたいこれくらい」で置くとズレやすい。
電気代も、季節によって変わる。特に暑い時期は、冷房を我慢して帳尻を合わせる前提にしないほうがいい。暑さや湿度は、気合いで何とかするものではない。暮らしを続けるために必要な支出として見たほうが、生活は崩れにくい。
車を使う場合は、ガソリン代や移動費も軽く見ない。石垣島での移動は、住む場所や仕事、買い物先によって負担が変わる。車があると楽になる場面はあるが、その分、毎月の支出として見る必要も出てくる。
通販送料も、少しだけ別枠で見ておきたい。離島では、注文のたびに送料が乗ったり、届くまで時間がかかったりすることがある。買い方の工夫より先に、生活費が上振れする要因として見ておく。
他人の暮らしぶりは、自分の生活費にそのまま使わない
石垣島で暮らしている人を見ると、「この人が暮らせているなら、自分も何とかなるのでは」と思うことがある。気持ちは分かる。私もそういう見方をしていたところがある。
ただ、外から見える暮らしぶりには、見えない条件がある。家賃がかなり安いのかもしれない。知人のつてがあるのかもしれない。支出をかなり抑えているのかもしれない。昼と夜で働いているのかもしれない。
それは、その人の努力や事情をどうこう言う話ではない。その人にはその人の収入、家賃、人間関係、体力、家族の事情がある。そこを見ないまま、自分の生活費の目安にするのは危ない。
だから、掛け持ちすれば大丈夫とも、助け合いで何とかなるとも言わない。実際に人のつながりに助けられる場面はある。けれど、それを最初から生活設計の柱にするのは、少し怖い。
他人の暮らしぶりは、参考にはなる。ただ、自分の家賃、自分の手取り、自分の食費、自分の移動費に置き換えてから見たほうがいい。
求人と家賃を並べると、生活費の現実が見えやすい
生活費を見るときは、求人で見える額面収入と、手取りの見込みを分けておく。求人票に出ている月給や時給は、そのまま使えるお金ではない。税金、社会保険料、交通費、手当の有無、勤務時間で変わる。
ここで細かい計算を完璧にする必要はない。ただ、額面収入だけを見て「これならいける」と決めるのは早い。家賃、食費、光熱費、通信費、移動費を引いたあと、どれくらい残るかを見る。
特に家賃は、求人と並べて見たほうがいい。仕事は見つかりそうでも、家賃が重いと暮らしは苦しくなる。逆に家賃が抑えられても、手取り見込みが薄ければ余白は残りにくい。
仕事探しそのものは深追いしないが、生活費を見るなら、求人と家賃の並びは外しにくい。収入だけを見ない。家賃だけも見ない。両方を置いて、残るお金を見る。
ここまでやると、石垣島の生活費が高いか安いかという問いが、少し形を変える。「自分の条件で暮らしが回るか」という問いになる。私は、こちらのほうが生活に近いと思っている。
移住前に、通常月・上振れ月・残るお金を書き出す
最後にやることは、大きな家計表を作ることではない。スマホのメモでも紙でもいいので、通常月、上振れ月、残るお金の3列を作る。
書き出す項目は、求人で見える額面収入、手取りの見込み、家賃、食費、光熱費、通信費、車を使う場合のガソリン代や移動費、通販送料、交際費、帰省費、その他の固定費くらいでいい。
通常月には、特別な出費が少ない月の見込みを書く。上振れ月には、夏の電気代、車移動、通販送料、交際費、帰省費、急な買い替えが重なったときの見込みを書く。
完了条件は、通常月と上振れ月の両方で、最後にいくら残るかを一度見ることだ。正確でなくていい。むしろ最初から正確にしようとすると、途中で嫌になる。ざっくりでいいから、赤字になりそうな月があるかを見る。
再開点は、家賃か車か食費か電気代のうち、いちばん重く見える項目に戻ること。全部を一度に直そうとしない。ひとつずつ見るほうが、暮らしの判断は続きやすい。
石垣島の生活費は、誰かの月額を借りて安心するより、自分の求人と家賃を並べたほうが見えやすい。楽しい暮らしを考えるなら、支出が増える月も同じ紙に置いておく。そのくらいで、移住の話は少し生活に近づく。
※本記事は一般的な情報と筆者の体験に基づく。費用、家賃、給与、物価、光熱費、ガソリン代、通販送料などの最新条件は、求人情報、不動産情報、各事業者、公式情報で確認してください。
(筆者注:無理のない範囲で、暮らしが回る前提を優先)
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